TVクイズ大研究

TVのクイズ番組を裸にした本!
数々の番組で優勝を続ける筆者が、自らの経験と頭脳からあみ出した、本当は公開したくない、
TVクイズ攻略のまる秘カリキュラム一挙公開!

©北川宣浩 1981
予選会

◆◆コラム/変装・偽名……クイズマニアの苦労話あれこれ


 あちこちのクイズに出ると、マニアのレッテルをはられて、やたらと出られなくなってしまうのは御存知ですね。だが"マニア"ともあると、あちこちたくさん出たいもの。しかし予選に行くと、
「あ、あなたですか。よくご活躍ですねえ。うちの番組はちょっとご遠慮ください」
とか、
「あなたは2年前に当番組にお出になってますね。なにぶん応募者多数ですので一回だけにしてください」
と、ことわられるハメになる。局も過去の出場者リストでチェックするのだ。この私メも、最近ではせっかく予選を受けても「北川さんは有名だから……」と、成績にかかわらず、ヤンワリとことわられる場合もある。ぼくも、TVクイズは単なる娯楽番組だ、と悟りきっているから、素直にあきらめているのであります。

 そこで、偽名を使ってまでも出たいというスゴいマニアが現れる。こんな人は圧倒的に女性が多い。たとえば×藤佰子→×藤桃紅、×川幹子→×川美樹子のように、名前の字をちょっと変えるのはまだかわいい。次に枚田×子→前田×子と、姓を変える人も。この人の場合、電話じゃまったく同じに聞こえる。あるいは結婚して姓がかわってから同じ番組に出る人も多数いる。まだ結婚していないが、したらすぐ、落とされたクイズに出てやろうと、手ぐすねひいて、相手が見つかるのを待っている女性もいる。

 一方、番組によっては、
「たとえ結婚して姓がかわっても出場できません」
と、予選のとき念を押しているのも、イタチごっこみたいでおかしい。

 さて、×野和子→岩崎冬美、×永浅子→山本礼子となると、もういけません。芸名の域に達してチェックのやりようがない。実家の姓で、実家あてに連絡してもらってヤリクリするのかどうか、それにしてもよくやりますなあ。

 あるいは友人が予選に合格したが急に出られなくなったとか、イザとなるとおじけづいてかわりに出てくれと頼まれたとの話も聞く。

 以前クイズグランプリに学校の先輩そっくりなのに名前がまるで違う人が出ていた。あとで聞くと、友人に頼まれたのだそうだ。そんな人がいるせいか、予選合格者の写真を撮る番組もある。視聴者の中には顔と名前をはっきり覚えている人もいるので、あまりみっともないマネはよしたほうがいい。また、偽名は使わないけれど、サングラスをかけたり、カツラをかぶって出る人もいる。あちこちの番組に続けて出ると、どうしても目立ってしまうのを防ぐのだろう。TVを見ていると苦労がしのばれる。これというのも、みんなテレビ局のせい。再出場や頻繁にでるのをきらっているから、出場者側の自衛策とも言える。

 もう一つ、録画は何回かまとめて録るが、勝ち抜いている人が前回と同じ服ではおかしいからと、ベルトクイズQ&Qなどからは着替えを持ってきてくれと言われた。これは録画なのにナマに見せようとするTVの変装である。

 

 

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