TVクイズまる金必勝マニュアル

名人が教える150のノウハウ

©北川宣浩 1985
クイズビデオ2

アメリカ横断ウルトラクイズ(9)


■成田はジャンケン

 成田での予選方法は毎年いろんな仕掛けをしますが、結局ジャンケンです。バカバカしさと迫力で、ジャンケンを越える方法はないでしょう。アンケートでアミダやクイズになっても、なんらかの形でジャンケンをするようになっています。
 そこでジャンケンの必勝法ですが、まず気合。絶対に勝ってやる。こんな相手はイモだ。そう思い込むのです。次に大声を出す。福留アナが「ジャンケンポン!」と声をかけますが、これと一緒に大声で「ジャンケンポン!」と怒鳴ること。相手を威圧しましょう。相手の目をにらむのもいいでしょう。
 でもアタマも必要です。むしろ頭脳勝負の要素のほうが多いみたい。統計を取ったり、コンピュータを使ったりする人もいます。
 ジャンケンに負けたってまだ悲観することはありません。成田でも敗者復活戦があるのです。テレビでも放送していますが、一部カットされているので、敗者復活戦で生き残る人は実際はもっと多いはず。

■機内クイズは2回にわけて

 成田で勝った約50名は、グァムかサイパンへ飛ぶコンチネンタル航空機へ慌ただしく乗り込みます。前部の席には一般の旅客が座っていますので、便名が判れば予約しておくことだって可能なはず(第8回の時は、成田発11時のコンチネンタル航空500便)。
 水平飛行に移ったらすぐ400問のペーパークイズが行われます。すべて三択で、約5秒に1問のペースで解かなくてはなりません。実際は最初に200問やって問題用紙を一度回収ののち、次の200問をやります。後半の200問にわれわれが取り組んでいる間、スタッフは前半200問の採点をします。短い飛行時間内で効率よく作業をしているのです。機内ペーパークイズの内容については、ウルトラクイズの本にすべて載っていますので、そちらをご覧ください。よく読むと、かなりやさしい問題も出題されています。
 ところで、機内クイズの答えがわからなくても正解できちゃう方法があるのです。第1回から第4回までのウルトラクイズの本をお持ちの方は、三択の答えがどういう順序で並んでいるか調べてください。
 例えば、第4回の最初の40問は、
  1 3 2 2 1 3 3 2 1 1 3 2 2 1 2 3 1 2 3 3 2 1 3 1 1 2 3 3 2 1 1 2 3 2 3 1 2 3 1 3
 の順です。次の41~80問は、
  1 3 2 2 1 3 3 2 1 1 3 2 2 1 2 3 1 2 3 3 2 1 3 1 1 2 3 3 2 1 1 2 3 2 3 1 2 3 1 3
 どうです。40問ごとに答えのパターンがまったく同じですね。ペーパークイズは問題用紙1ページに20問あります。問題の脇に 1 2 3の解答欄があり、正解と思う位置を、マークセンス方式でマーカーで塗りつぶします。スタッフは正解の部分にだけ穴の開いている下敷きをあてて、そこから顔をのぞかせているマーカーの数だけ数えるのです。その合計が得点です。
 この採点方法はテレビでも映していましたが、それを見て一つの仮説がひらめきました。
「採点する下敷きを何枚も用意していたのではたいへんだ。下敷きの数は少ないのではないか。となると答えの出方には一定のパターンがあるのでは……」
 これを証明すべく、第1回~第3回のウルトラクイズの本から三択の答えを抜き出してみると、あんのじょう、40問ごとに同じでした。つまり、1ページに20問ずつ問題が載っていますから、奇数ページと偶数ページとが同じ答えパターンなのです。また、後半の201問目からは別のパターンでした。
 だから、たとえ12問目の答えがわからなくても、52問目の答えがわかれば12問目の答えだってわかってしまうのです。うまくいけば全問正解も可能です。我ながら、こういう発見をよくすると感心。
 このパターン方式を、第4回の機内で実際に行うには勇気がいりました。すべての問題に目を通して答えるのではないから---。
 まず、配られた問題用紙の各ページにノンブルをふり、奇数ページと偶数ページがはっきりわかるようにして、確実にわかる問題に取り組みました。わからない問題でも、同じ位置だったら同じ番号が正解のはずです。飛行機が揺れて思わぬ番号にマークしてしまったものや、うっかり間違ってしまったものもあり、パーフェクトにはなりませんでしたが、かなりの点を取れた自信はありました。しかしサイパン空港で福留アナは「機内最高360点。9割のでき」と発表しました。実際はもう少し取れていたと思うのですが……。
 但し、今年この方法でやろうと思ってもダメですよ。ぼくがこの方法をしたので、次の第5回からは解答用紙が別紙になり、パターン方式はできなくなりました。

 

 

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