中年になってからバイク・オートバイの免許を取得し、北海道ツーリングや関東周辺のツーリングを楽しむノウハウ
十勝 ツーリング ─ 2008.06.28
2008/06/28 Saturday

開けて、鹿追町の平山旅館を8時40分に出発した。
今日はこのツーリングのハイライトともいうべき、ヌプントムラウシ温泉に行く予定だった。13kmのダートを走り切ると、忽然と川沿いに温泉が現れるという。もう10年も前からの憧れで、当時はバイクの免許がないので車で行こうと思っていたが、雨で林道が閉鎖されたり、温泉に脱衣所ができたりと、いろいろな情報がネットで流れているのを横目で見るだけだった。
そのためにオフロード車のセローを借りたのだが、ギアの異常でビッグスクーターのマジェスティに変更。これではダートの林道を走れない。

そこで考えたのがレンタカーで行く方法。たしか新得駅には駅レンタカーがあったから、ここで借りて四輪で行こう。「行く」という結論では念願がかなう。

平山旅館から新得駅に向かったが、窓口で聞くとここの駅レンタカーは予約制で車を常時置いているのではないという。もう1件、iモードのタウンページで検索しておいた新得市街のレンタカー屋はつぶれたのか電話は不通で、住所のあたりをうろついてもそれらしき建物もない。やむなく、バイクで舗装路が途切れる、林道入口の曙橋交差点まで行くだけ行くことにした。

東大雪湖

雄大な東大雪湖を眺め、富村小中学校の集落にある山の交流館とむらで休憩。なんとシャワートイレだった。

そのちょっと先に、「NHKドラマ、ハルとナツロケ地 ⇒」の看板が。

↓左側のところがロケ地。GPS軌跡をカシミール3Dで読み込んだ。
ハルとナツロケ地

すぐに砂利道なのだが、見ると固く閉まった地面が見えて砂利が少ないので、これは走れるかもしれないと恐る恐る進入したら、何の問題もなく走れてしまった。

ハルとナツ、ロケ地

そう、砂利道をコケずに走れたのだ
セローで大名栗林道を走れず砂利道コンプレックスだったのだが、ビッグスクーターで走れてしまったのだ。これはとてつもなく大きな喜びだった。

曙橋

そして運命の曙橋交差点。ここから右に行くとヌプントムラウシ温泉、まっすぐは国民宿舎東大雪荘、左はパンケコロニベツ林道。いずれも未舗装路なのだ。
実は、右のヌプントムラウシ温泉以外、まっすぐと左はマイカーで走っております。



当初はこのまま引き返すつもりだったが、さっき砂利道を走れた。ハルとナツロケ地が「練習」のような効果もあり、地面を見るとさほど砂利が浮いているわけでもないので、思い切って走ってみるか、行ってみるかという気になった。
YSP帯広の店長も、「(ヌプントムラウシ温泉へは)マジェスティでも行けることは行けますよ、深砂利のところだけ気をつければ」と言っていたのだが、それはセローの3速を入れられる人のセリフだろうと、「いや、行かないことにします」と返事をしておいたのだが、ビグスクでも行っていけないことはないだろうとの判断から、ついにポントムラウシ林道に足を踏み入れてしまった。13km先に10年間、夢にまで見た、そこへ行くために来た、ヌプントムラウシ温泉が待っているのだ。

ポントムラウシ林道

実はごらんのような路面状態。ガードレールはなく、川が流れている。操縦を誤れば川に転落で、助けは数日来ないだろう。
普通のバイクなら両足でタンクを挟み込むようにしてニーグリップを保ち安定を確保するが、スクーターはそれができない。代わりに足を踏ん張るといいとどこかで読んだのでそうして、両手は緊張させないで、ゆらゆらするようにした。そして視界を遠くに持って路面状態を把握し、手前の段階で無理のないコースを選ぶようにした。カーブでは車体を極力垂直に保ち傾けず、定規で書いたように曲がることにした。

1車線の狭い砂利道で、対向車は数台の車と1台のオートバイのみ。車はみな手前で止まって通り抜けるのを待っててくれた。そしてヌプン小屋が見えてきた。ついに転ばずに、ビッグスクーターで未舗装の林道を走破できたのだ。

ヌプントムラウシ

数台の車が止まっており、意外にもバイクは0。
温泉脱衣所に向かうと、地球上の生物とは思えないババアが、大正時代のような水着を着て入っていた。待てばいずれ失せるだろうが、こっちも時間がない。救いは、温泉マニアらしいおじさんがいたこと。意を決してババアと混浴した。
おじさんが温度調節をしてくれていてちょうどいい温度。お湯はぬるぬるしていた。13kmの砂利道との苦闘の汗がすぐに引いた。



帰り道は下り主体なので慎重に運転したつもりだが、疲れもあったのだろう、3回ほどコケてしまった。

ヌプントムラウシ林道

これが行きに撮影していた現場である。水たまりが大きくあるので撮影していたのだが、上から下るとちょうど左側に水たまりがあるわけで、これを避けようと矢印のように右にハンドルを切ったらバランスを崩し車両の左側に転倒してしまった。転倒先は水たまりである。ベチャと、左手を水溜りの中につけてしまい、グローブの中が染みた。救いは、マジェスティをすぐに起こせたこと。セローの倍の重さだが、重心の都合だろうか、難なく起こせた。セローを起こすのは汗まみれで息も絶え絶えになったのだが。

その後、深砂利に足を取られて転び、次いで深砂利があったのでチキンになってしまいスピードを落としたら右に転んでしまった。
バイクの傷がさほどでなかったのが救いだ。

調子に乗って国民宿舎東大雪荘にも行ってみようと思っていたのだが、やめた。もう砂利道をわざわざ走ることはするまいと思った。
山の交流館とむらに戻ると2時過ぎ。うどんをいただいて、疲れて座敷に横になってしまった。



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