TVクイズ大研究

TVのクイズ番組を裸にした本!
数々の番組で優勝を続ける筆者が、自らの経験と頭脳からあみ出した、本当は公開したくない、
TVクイズ攻略のまる秘カリキュラム一挙公開!

©北川宣浩 1981
クイズの本

第4章:クイズの勉強法


クイズノートを作ろう


 新聞や雑誌、TVラジオからの情報をはじめ、人の話やちょっと目についた事柄は、すべてクイズになりうる要素を持ってる。これらの膨大な情報を、ただぼんやり見ているだけではクイズマンとは言えない。情報の中から必要なものを収集し、きちんと整理しておこう。この、
現状の把握
その傾向の分析
それに対する資料の収集整理
その資料を活用しての今後の対策、実施

は、クイズのみならず、現代社会において、極めて重要なプロセスといえよう。この本では、クイズについてのこれらの過程を述べているつもりだが、この項目では整理の方法を書いてみる。

 情報には、ほぼ不変的なものと流動的なものの2種類がある。「イスラム教の最後の預言者は→マホメット(ムハマンド)」が前者だし「イランの最高指導者は→ホメイニ師」が後者である。(80年10月現在)いくら必死で覚えても、「パーレビ国王」などと答えてはブー(不正解のブザー)だから、これらは区別して整理しておきたい。そこでぼくは次のような方法を用いた。
●不変的なものはB6カードにまとめ、ジャンルごとにバインダーに綴じる。
●流動的なものはアトランダムにノートに書き留める。ノートの左ページは新聞などの切り抜きの貼り込みに、右ページをメモにする。

 B6カード

 これは、あくまで一例。参考にして各自最適な方法を見つけてください。

 B6カード(B6判の大きさの、やや厚手の紙でできているカード。文具店で売っている)には1枚につきひとつの事柄を書いておく。見出しとメモした日付も書く。不変的な内容なので資料として永く残すため、クイズ問題にはせず、暗記用にした。このカードは後の項目「ジャンル別勉強法」の中の資料を書くのに役立った。おおむねあのような形でメモしてある。カードだと差換えが自由にできるので、内容ごとに分類整理するのにも便利である。バインダーに綴じると散逸するのを防げるし、持ち運びにも便利だ。

 一方各番組の予選通知や予選問題、スタジオの様子など、各番組のデータもB6カードで整理してある。これはこの本の第2章、第3章を書くのに役立った。

 さて、ノートのほうはB5判のありふれた大学ノートである。見開きの左ページはスクラップをするページで、新聞などのクイズになりそうな部分を切り抜いて貼ってある。新聞切り抜き用のカッターナイフも売っているから、これを使うと便利だ。

 クイズノート

 右ページは、カードと違ってクイズ形式にしてある。新聞などの情報から自分でクイズを作ったものを書き留めておく。もちろん答えも書く。あるいはクイズ番組の問題で、できなかったものを書き留めておいた。この作業にはビデオが役に立った。クイズ問題は繰り返し出題されることが多いから、できない問題をモメして覚えるのはよいと思う。書くことで覚えるし、ノートを何度も見返すことでも覚えるから。ただ不思議なことに、覚えられないものは何度やっても覚えられないものだが……。

 ノートにメモをする場合も、ジャンル別に問題を別けてメモをする方法も考えられる。

 だが、あまりに煩雑になるのでやらなかった。第一クイズ問題はアトランダムに出題されるから、アトランダムにメモる方が実戦的だろう。このノートは第2回ウルトラクイズのときカバンに入れていった。現地で皆とノートからクイズの出し合いをして勉強したのがいい思い出である。

 実はもう一冊別のノートがあって、これはP129などで説明しているスコアをつけるためのノート。いわば落書き帳のようなものだ。

 しかしながら、実際に毎回TVや新聞からメモをとるとなると、これは大変な作業になる。頭を使わないといけないし、時間も結構かかるので、余程ヒマでもないと毎日やるのは難しいだろう。予選に合格して出場が決定した頃とか、日曜日にまとめてとか、作業をする日を決めておいたほうがいい。ぼくも学生時代はやっていたけれど、今は新聞3紙に目を通すのがやっと。出場が決まらないと腰をあげないだろう。

 ただし、メモを作る作らないにかかわらず、いつも好奇心のカタマリでいて欲しい。アンテナを常に伸ばしている、その気持ちが大切なのだ。

 

 

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