TVクイズ大研究

TVのクイズ番組を裸にした本!
数々の番組で優勝を続ける筆者が、自らの経験と頭脳からあみ出した、本当は公開したくない、
TVクイズ攻略のまる秘カリキュラム一挙公開!

©北川宣浩 1981
クイズの本

第4章:クイズの勉強法


誰でもあがるクイズ出場


 「あれだけ出たんだから、もうあがったりしないでしょう」とひやかされるけれど、とんでもない。いつだってドキドキの、卒倒寸前で出ているのです。実はこの原稿を書いてる今は79年10月1日の深夜でして、明日午後1時より、ベルトクイズQ&Qの本番録画どりがあるのです。夕方家に帰ってから、今日の昼のQ&Qのビデオを見たけれど、明日はオレがこれをするのかと思うと急に鼓動が高なり、胸がグッと押される気分で、腹を減らして帰って来たのにもかかわらず、夕食を見ただけでゲンナリ。箸をつけられなかった。もう一回ビデオを巻き返して見たら、ドッと疲れてしまい、TV・ビデオをつけっぱなしで寝こけてしまった。なんともだらしがない。出ないうちからあがっている。

 本当に何度出ても緊張する。むしろ何度も出て、実物をよく知っているからよけい緊張するのだろう。ライトがまぶしいわけじゃない。カメラがこわいわけじゃない。何よりも自分が不安なのだ。間違えたりできなかったらどうしようと不安でたまらない。それはみじめな敗北につながるのだ。そのこわさを知っているからよけいに緊張する。本番直前、フロアディレクターが秒読みする時など鼓動の音が聞こえるくらいだ。ボタンにかけた指先が入るえている……。

あがる

 しかし、このピリピリした緊張感、追いつめられた切迫感が何とも好きなのだ。ピリピリが高まる、問題が出る、ここだ! ポイントをおさえてポーンとボタンを押す、答える。「正解です!」と司会者の声、観客の拍手。やった!!

 この時の快感は野球選手がホームランを打ち込んだ時と同じであろう。この緊張感の中からジャストミートを打ち込んだスッとした気持ちが何ともいえず好きなのだ。これがクイズの魅力だと思う。これがたまらない。だから懲りもせずにハガキを書いて、そしてメシものどに通らない、ひっくり返りそうだなんて言いながらも出てしまう。自分はあがりはしないだろうかと心配な方、誰だってあがっているのです。ただひとつ、無心になって、耳と目と頭と指に神経を集めてください。人に何といわれるかなんて考えない。負けることなど考えない。ましてや賞金、賞品なんてノミの鼻毛ほども考えない。こんなものが頭をチラツクようじやとうてい勝利は望めない。ただ無心になって答えること。それが勝利に結びつくし、クイズの魅力となると思うのです。(Q&Qの結果はP142参照

 

公共の宿

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