クイズ王が明かす
ウルトラクイズ必勝法

10人のクイズ王が自分たちの経験を元に、知力・体力・時の運の鍛え方から、クイズ形式別解答法まで、ウルトラクイズのすべてのシーンに勝ち抜く秘密の戦略を伝授する。


国内篇/鍛練〜成田まで

現地篇1/成田〜団体戦まで

現地篇2/本土上陸〜決戦まで




国内篇/鍛練〜成田まで

■日頃からの鍛練を
 ウルトラクイズに参加できるのは18歳から。パスポートを取って参加を決めたなら、自分の日程を調整するとともに、心身を鍛えておきましょう。「体力」は、ジョギングやエアロビクスをする。腹筋・腕立て伏せ・腕相撲などをする。プールへ行って逆さ飛び込みの練習をするなど。いきなりやるとかえって身体に悪いから、徐々に慣らしていきます。
 「知力」は、アメリカのガイドブックや歴史書を読む。クイズ番組を見る。過去のウルトラクイズのビデオを見る。ウルトラクイズの問題集やってみる。雑学本などを読む。クイズのノウハウなら、北川さんがテレビクイズの必勝法をまとめたマニュアル本を書いているので、参考にしたい方は書店で探して読んでみてください。後半のクイズ戦になってきたら、勉強をしたしないが大きく影響します。
 ところで私たちクイズ王は、小・中・高校生くらいの若いファンの方から、よくこんな質問をいただきます。「ウルトラクイズの問題集をやってみたのですが、半分も答えられません。どうしたらいいでしょう」答えられないのは無理もありません。18歳から45歳用に問題を作ってあるからです。たくさん答えるには、今の学校の勉強をしっかりやって、基礎知識と一般常識を身につけるのが一番です。そしていざアメリカへ旅立てば、知力はもとより、精神力・行動力が必要となります。日頃から自分のことは自分で判断し、物事はすすんでやるよう、あらやる面を鍛えておかないと、ウルトラクイズには勝てないのです。
 なお、いくら鍛練を積んでもウルトラクイズに応募しなければ何もなりません。日本テレビから申込書を取り寄せ、キチンと記入して早めに申し込みましょう。申込書は次のようなものです。間違いのないようキチンと書いて日本テレビに送りましょう。

■後楽園は軽装で
 後楽園球場で行われる国内第1次予選は、例年8月なかばの日曜日にあります。旧盆の時期なので、地方の人は帰省ラッシュに気をつけてください。
 後楽園で走るのはわかりきっています。予選通知のはがきには『※クイズは走ることもありますので、服装、靴はスポーティなものでお越し下さい』とあるくらい。なのに、ハイヒールで来たり、赤ちゃんをおぶってくる人が必ずいるのです。また、最近では大学のクイズ研究会がのぼりを振り回して来ることもあります。こういうことは、他人迷惑にもなるし危険です。ジーンズかショートパンツなどの走りやすい服にスニーカー、バッグ類は小さなものでブラブラさせない、というのが我々の後楽園でのユニホームなのです。ウェストポーチなら、両手が使えてボール拾いなどがたいへん楽です。パスポートやキーをズボンのポケットに入れると落としやすいので注意しましょう。日射病を防ぐために帽子もあったほうがいいでしょう。また、雨が心配なときは傘以外の雨具、つまり頭からかぶるレインコートやポンチョのたぐいを用意しておきます。傘を持って行っても危険防止のため、さすのは禁じられているのです。
 このように服装にも気をつかって、日本テレビから来たはがきと、パスポートを忘れずに持って、時間に遅れないように行きます。忘れたり遅刻は失格です。はがきには登録番号が記されているから、自分の番号に該当する受付ゲートから入場します。もちろん、ゲートで出される問題をよく考えてからですが。

■1問目突破こそ後楽園のカギ
 ゲートで出される1問目を突破しないかぎり、ニューヨークはおろかグラウンドにも降りられないみじめな結果になってしまいます。
 なんといっても自由の女神の問題が一番多く、過去10回のうち7回はこの問題です。今後も決勝地がニューヨークならば、自由の女神問題が出ることが多いと思われます。
 では、過去に出題された自由の女神問題を分析してみます。
第2回「ニューヨークの自由の女神がたいまつを持っているのは左手である」(×)
 これはあまりにも簡単。写真を見ればわかります。
第4回「ニューヨークの自由の女神は石でできている」(×、銅製)
 これは日本のガイドブックにはあまり記述されていませんが、外国で発行されている自由の女神についての記述にはコッパーでできていると明記されています。ただし、この問題はグラウンド内で出されましたので、事前の研究が必要でした。
第5回「ニューヨークの自由の女神は裸足である」(○)
 この回から入口で出題されるようになりました。ガイドブックなどに足もとまで写っている写真が少なかったため出題されたようです。それに挑戦者の方もまさか入口で問題が出るとは覚悟していなかったので、あわてました。しかし当時のKDDのパンフレットや映画「ニューヨーク1997」には自由の女神の足もとまで写っていました。事前に研究してればやさしい問題だったと思います。
第6回「ニューヨークの自由の女神は贈り主フランスの方を向いている」(×、南南東)
 このころになると、挑戦者は予想問題をたてて臨むようになりました。この問題は何人かのクイズマニアの間では事前に調べられていた問題です。地図とニューヨークのヘリコプターシーンのビデオを合わせて見ると、自由の女神は南の方角を向いているのがわかります。
第7回「自由の女神のお返しにアメリカの人々もフランスに自由の女神を送った」(○)
 パリに自由の女神像があることは、パリへ行った人ならたいてい知っています。観光で必ず訪れるリュクサンブール公園と、セーヌ川のグルネル橋のたもとにあるのです。しかしそれがアメリカから送られたものとは限りません。でも、アメリカで売っていた自由の女神の専門書に「ニューヨークの市民がフランスに自由の女神を送った」と記載されていました。「お返し」にとは書いてありませんでしたので、100%の自信はありませんでしたが、○へ行きました。
第8回「ニューヨークの自由の女神と上野の西郷さんの銅像は同じ方角を見ている」(○)
 これはガイドブックにもアメリカの本にも絶対に載ってない問題ですが、第6回で自由の女神の方角はわかっていますから、上野の西郷さんの見ている方角さえわかればいいのです。ゲートで問題が出るのが7時すぎ。入場締切が9時ごろですので、早めに来ていれば上野まで行くことができます。まさか磁石は持って行ってないでしょうから、西郷さんがどの建物の方向を見ているか確認し、ロードマップなどの細かい地図で建物と西郷さんを照らし合わせるとわかります。
第10回「ニューヨークの自由の女神。100年前の除幕式の幕はフランス国旗であった」(○)
 これは自由の女神百周年にちなんだ問題です。ニューヨークの自由の女神のスーベニアショップで売っていた専門書にもイラスト入りで書かれていましたし、英語版のニューズウィーク「自由の女神特集」にも書かれていました。原書さえあれば簡単でした。
82年敗者復活戦「あのニューヨーク・パンナムビルから自由の女神は見える」(○)
 第5回(81年)の決勝戦はとても晴れた日でした。パンナムビルで決勝戦が始まる直前の映像にくっきりと自由の女神が写っています。ビデオがあればすぐ確認できました。このときはパンナム日本支社に日本テレビから手が回っており、電話をしても「そのことにつきましては夕方までお答えできません」と言われたとか。

 このように分析してみると、次のことが言えます。
1.いまさら日本のガイドブックに書いてある程度のことは出題されない。
2.洋書店でアメリカ発行のガイドブックか、自由の女神の専門書を買って研究してみる。
3.当日朝、電話でアメリカ大使館や関係各所に電話をしても、日本テレビから手が回っている可能性が高く、無駄かもしれない。
4.当日朝、自由の女神七つ道具として、次のものを用意しておこう。詳細な写真、詳細な地図=アメリカ発行のものが望ましい、自由の女神の原書、磁石、過去のウルトラクイズのビデオ、テレホンカードか10円玉たくさん、そしてもちろんこの本。
5.もう一つのポイントとして、1問目の答えは、映像にしておもしろいもののはず。正解発表のとき、どのような映像にするかを考えてみるのも大切だ。

■電話をかけるなら準備をしてから
 後楽園では1問目が出されると同時に、電話をかけに走る人が大勢います。しかし、あの問題に即答できる人なんていないのではないでしょうか。あなたの知人に、そんな人はいますか。電話でいきなり答えるなんてクイズ王でも無理です。もしあなたが誰かに電話をして、一問目正解をもくろんでいるのなら、これはあくまで自由の女神問題が出るとの仮定にたってのことですが、先に書いた自由の女神七つ道具を電話口に用意してもらっておくこと。そして電話の相手に問題を伝え、調べてもらいます。30分後くらいにもう一度電話をして、調査結果を聞くようにします。このようにしっかりしたシステムを整えておかないかぎりは、双方の電話口で「わかんな〜い」を連発して、テレビカメラの嘲笑を浴びるだけになります。
 なお、ニューヨークの自由の女神の電話番号は212−732−1286。英語が得意なら国際電話がかけられる電話からかけてみてください。14時間の時差があるのをお忘れなく。
そのほか、日本にある自由の女神関係の電話番号を列記します。いずれも後楽園予選のある日曜日は休みで、電話は通じませんが。
アメリカンセンター東京03−436−0901
アメリカンセンター大阪06−361−9600
アメリカンセンター名古屋052−581−8641
アメリカンセンター福岡092−761−6663
アメリカンセンター札幌011−641−0211
ニューヨーク州州政府商務局03−213−2856
ニューヨーク港湾局貿易振興事務所03−213−4387
アメリカ大使館03−583−7141
アメリカ商務省観光局03−212−2421

電話をかけるときは、先方にくれぐれも失礼のないようにすること。わかりやすく、ていねいに話すこと。たとえ先方がわからなくても、お礼を言って電話を切ること。
 なお、アメリカンセンターは、アメリカの新聞、雑誌、書籍、ビデオなど、いろいろなものがそろっている在日文化施設です。前もって予想問題を調査するには最適の場所。一度行ってみてください。

■どこから電話するの
 後楽園球場付近の電話は、球場前はもとより、JR水道橋駅前、地下鉄後楽園駅前、付近の喫茶店など、およそ目につく場所は長い列ができてしまいます。しかも公衆電話からだと、国際電話などは普通かけられません。さらに、ビデオや資料の原書などを球場まで持っていくわけにもいきません。そこで、思い切って近くのホテルに泊まってしまうのも手です。電話はもちろん、ビデオやファクス、膨大な書籍にも対応できます。地方の人は当然でしょうが、東京の人でも後楽園近くのホテルに泊まってみてはいかが。

■自由の女神以外について考えてみよう
 第9回は決勝地がパリのことでもあり、「パリのエッフェル塔に正面はない」という問題でした(答え○)。建築の専門家に聞くと、前後左右が同じ形の塔などでは一般的に正面は定めないとのことです。でも当日東京タワーや横浜のマリンタワーに電話したら「正面はある」と言われ、×へ行った人も多かったのです。しかしスタッフ側に立って考えてみれば、こんな問題が出されたなら、挑戦者のだれもが東京タワーに電話するのはわかりきっています。その東京タワーに正面があると言われれば、当然エッフェル塔にもあると考えるのが普通です。しかし、従来なら東京タワーに手が回っているべきなのに回っていませんでした。そこでこれはエッフェル塔にはないのではと、ウラを読んで○へ行く。このような深謀遠慮も必要なのです。
 今後、決勝地がニューヨーク以外なら、自由の女神以外の問題が出ると思われますが、そのときは前もって決勝地に関係する資料を集めるのと同時に、いままで出題された問題に類似した予想問題を作ってみるといいでしょう。というのは、このエッフェル塔の問題がどのようにして作られたか推理してみると、次のように考えられるからです。
 まず、決勝地がパリですから、ニューヨークの自由の女神に相対するパリのシンボルとして、エッフェル塔か凱旋門の問題を出そうという声がスタッフ内にあがりました。そして過去の自由の女神問題と照らし合わせて「エッフェル塔は自由の女神の方を向いている」とか「凱旋門は鉄でできている」とかいうダミー問題がいくつも作られました。そうするうち、それじゃエッフェル塔や凱旋門はどっちを向いてるんだという話になりました。そこで在パリの番組コーディネーターを通して調べてみたら、特にどっちを向いているわけではない、正面とかはない、という調査結果が出ました。そこであのようなどこのガイドブックにも載ってない、ウルトラクイズならではの問題が作られたのだと思います。
 ね、このように考えると、エッフェル塔問題でも以前出題された自由の女神問題がベースになっているでしょ。スタッフが今後やりたがっているニューヨーク・パリ以外の決勝地として、北京やカイロがあります。もし北京ならば天安門、カイロならピラミッドやスフィンクスについて、過去の問題とからめて調べておくといいでしょう。

■クイズだから○
 ○×クイズに答えるコツは、答えを知っているのに越したことはありません。日頃から雑学の本や、NHKの「クイズ面白ゼミナール」などを見て、○×クイズに慣れておきましょう。
 でも、次のような考え方もあります。それはわざわざクイズにするのだから○。もしくは×というものです。具体的な問題で説明しましょう。
「アメリカとソ連の間にも姉妹都市はある」
 仮になければ、おもしろくもなんともありません。この問題は、仲の悪い米ソにも姉妹都市があるという意外性がミソなのです。それに、ないことを調べるのはとてもたいへんなのです。1ヵ所でもあれば○にできますが、「ない」にしておいたのに誰も知らないような小都市同士が姉妹都市になっている可能性だってあり、出題後にそこを突かれたら、弁解のしようがありませんから。よってこの問題はクイズだから○。実際に6ヵ所あるそうです。
「昭和9年、渋谷にある忠犬ハチ公の銅像の除幕式に、ハチ公自身も参列していた」
 もし×なら、わざわざ問題にする必要がありますか。それをテレビで全国に向けて放送する必要がありますか。普通銅像は死んでから作られるもの。その除幕式に本人(本犬)が出席している意外性がミソ。特に後楽園は何千人もの挑戦者があり、しかもテレビの視聴者を含めると、何千万人もの人が注目している場です。当たり前のものを堂々と出題して「そんなわけないだろ、ハチ公は死んでしまってるんだぜ」ではみんなが納得しません。したがって、クイズだから○。ただし、ドロンコクイズなどの1人でするものには、人を食った印象を強めるために「そんなことあるわけないだろ」の場合も多い。
「観音様は女である」
 一般的に観音様は男か女と聞かれれば、女と答える人の方が圧倒的に多いでしょう。観音様とは、女性の代名詞にもなっているくらいです。そんな当たり前のことをなぜ聞いてきたのでしょうか。これは、クイズだから×。男女を超越した存在だそうです。
「トランプのハートは心臓を表している」
 まごころを売り物にする、銀行のシンボルマークにもなっているハートマーク。そんな当然のことをクイズにして聞いてくるのなら、クイズだから×。聖杯を表している。
「お稲荷さんにはキツネがまつられている」
 もうわかりますね、クイズだから×。五穀をつかさどる神様がまつられています。
 しかし、この法則のウラをかいた問題もあり、
「シロクマはアザラシを襲うとき、黒い鼻を手で隠して近づく」
 こんなバカなことあるわけないから、クイズなら○だけど、×でした。
「小笠原流ではお見合いの席で、面と向かってことわってもいい」        
 こんな非常識なことあるわけないのに、わざわさわクイズにしたから○。だけど×でした。結局○×クイズは、スタッフとの知恵比べなのです。

■クイズ王にくっついて走らない
 グラウンドに降りてからは、考える時間は最初は45秒、それから30秒。その後人数が減るにつれだんだん時間が減っていきますが、考えて、ボールを拾って、○×サークルへ駆け込む時間は充分にあります。
 ところで、過去のクイズ王や出場者についてまわる人が必ずいますが、まず合格しません。いままで過去のクイズ王で、再び後楽園を通過した人がどれだけいますか。二度三度と後楽園を通過している人がどれだけいますか。回を重ねれば重ねるだけ、新しい人が出てきているではありませんか。クイズ王としてもあれは迷惑。ついてきたならまとめて落としてあげるね。
 集団心理で、だれかが走りだせば、それにつられて一斉に走りだす傾向がありますが、あくまで自分で考えて、自分で走りましょう。



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