10人のクイズ王が自分たちの経験を元に、知力・体力・時の運の鍛え方から、クイズ形式別解答法まで、ウルトラクイズのすべてのシーンに勝ち抜く秘密の戦略を伝授する。
■インスピレーションと三択はテクで抜ける
現地篇 2/本土上陸〜決戦まで
アメリカ本土に渡ってからしばらくは、人数が多いこともあってインスピレーションクイズや三択クイズが行われます。ゲストはギネスブックに載っている人の場合もありますので、前もって同書に目を通しておけばいいかもしれません。
三択クイズに答えるテクは、まず明らかに違うと思われるものがあればそれをはずして、二択として考えることです。こうすれば確率的にも有利になります。
次に、数字を選ばせる場合は、極端な数字が正解の場合が極めて多いのです。それは、「そんなに多くか」「それっぽっちか」と意外感を与えるために出題しているからで、 1 2 3とあれば、中途半端な 2が正解のことはまずありません。
そして、3つの選択肢の中で異質なものが正解の場合が多いのです。選択肢の中の2つはクイズ作家が考えたニセの答え。これは意外と常識的な線で納まってしまうのではないでしょうか。事実は小説より奇なりといいますが、本当の答えこそ突飛なものであるはずです。
インスピレーションクイズでは、三択の他に同じ問題に順番に答えていくリレークイズ形式と、ボードに答えを書かせる方式があります。これらは強制的に答えさせられるわけですから、何か答えないと得点に結びつきません。「わかりません」や「パス」は絶対にすべきではありません。
珍発明や日本ならではの道具を当てさせる場合、ひところはやったナンセンスなぞなぞの発想が正解を導き出すカギになりそうです。
■体力クイズはガッツでクリア
ウルトラクイズは体力クイズの比重がかなり多くなっています。綱引きクイズ、足あげエアロビクスクイズ、腹筋起き上がりクイズ、バケツリレークイズ、ジョギングクイズ、バラマキクイズ、砂地獄砂時計クイズ、雑巾がけクイズ、酸欠早押しクイズなどなど。それ以外にも、間違えると後ろのサボテンまで走ったり、海に服のまま入ったり、さんざんな目に合います。
これらはルールから大きく次のように分類できます。早押しのあるなし、誤答の減点のあるなし。誤答の場合に減点や走ったりのペナルティがある場合、誤答は非常に大きなダメージとなります。ですからこの場合は慎重にならざるを得ないでしょう。逆に減点やペナルティがない場合は、正解したら儲け物という感じで、積極的にどんどん攻めていきます。
バラマキクイズのように、自分に出された問題に必ず答えなくてはならない場合、わからなくても何か答えるべきです。いいかげんに言って正解することだってありますが、「わかりません」ではブーに決まってます。それから必要以上に走らないこと。走れば呼吸が乱れ、頭がのぼせ、普段わかる問題もわからなくなります。バラマキクイズは早押し機がなくてもできますから、友達同士で集まって公園などでやってみてもいいでしょう。ありあわせの封筒に問題集からとった問題をつめてばらまくのです。クイズごっこみたいでおもしろいですよ。
ジョギングクイズは、ウルトラハットを設置したクルマにくっついて、予想以上に速いスピードで走らされます。日頃からジョギングをして、体力をつけておきましょう。バラマキは自分のペースで走れますが、こちらはそうはいきません。特に女性が抜けて男性だけになるとスピードアップしますから、早めに抜けることです。
体力クイズでウケを狙うなら、答えがわからなくても一生懸命やることです。懸命に走って人よりちょっと遅れてボタンを押し「ああ、しまった、押された〜!」とおおげさに嘆いて見せると、ファンレターが増えるでしょう。
■早押しはクイズの醍醐味
クイズ形式はいろいろありますが、早押しクイズほどクイズらしいクイズはありません。知識量とそれを頭の中から引き出すスピード、ボタン押しのタイミング、相手との牽制など、クイズの醍醐味は早押しにつきます。
早押しクイズに答えるポイントはなんといっても知識量。これはどんなクイズにも言えるのですが、早押しの場合相手との接戦になりますので、誰よりも早く答えられるよう、しっかりとした知識が必要なのです。あいまいな記憶では、自信をもってボタンを押すことはできません。押し負けてしまいます。日頃からクイズの問題集や新聞雑誌などを読んで、知識量をふやしておきましょう。
次にボタン押しのタイミングが重要です。のんびり構えていれば誰かが先に押してしまうし、かといって早すぎると、問題のポイントを聞きのがしてとんでもない答えを口走ってしまいます。これの練習は、早押しのあるクイズ番組を見ながら一緒になってボタン押しをすることです。ボタンは自分のひざや机などなんでもよく、わかったところでポンとたたくのです。テレビのキンコン!という音より早く押せたらあなたの勝ちです。
番組を一度ビデオにとって、リモコンの一時停止ボタンを早押しボタンとして利用する方法もあります。これなら判定がより正確でしょうが、リモコンによってはちょっと遅れて停止するものもあり、クセをよく知ってから使ってください。
テレビのクイズ番組を見ながらボタン押しの練習をするのはいいけれど、忘れてならないのは間違ったら減点をすること。ついつい正解した問題だけ覚えていて「俺はなかなかクイズが強い」と思ってしまいがちですが、間違った問題の分は減点しないと、本番ではとんでない結果になります。
ボタンの押し方は個人差はあるものの、人差指だけか、人差指・中指・薬指の3本を揃えて押すのが反応が早いようです。それも指の力だけでなく、手首のスナップを効かすのです。ウルトラクイズのはボックスがあって、その上に小さなボタン(電気スィッチ)があります。ボックスのため手首が宙に浮いて不安定になり、指で押しにくいという人は、てのひらをボタンにかぶせて、手首を動かす要領で押すといいでしょう。ボックスをかかえるようにして、親指でボタンを押す人もいます。いずれにせよ撮影前にボタン押しの練習をさせてくれますので、自分の押しやすい方法を見つけましょう。
でも、いけない押し方もあります。それは力任せに押そうとばかり、手を一度上にあげて振り下ろす押し方。これでは手をあげている時間にファミコンなら10回は連射されてしまいます。逆に押してから余韻を残すように手を振り上げる人もいますが、カッコはいいけどこれも遅れますね。
ボタン押しのタイミングは練習あるのみ。「……ですが」「では……」のような接続詞がポイントになります。ビデオを繰り返し見て、福留さんの語調のクセを体感するのもいいと思います。クイズのベテランともなると、問題が半分も読まれないうちからポンポンと押していますが、あれはいい加減に押しているのではなく、百人一首のようにちゃんと先を予測して押しているのです。
■神経衰弱クイズは頭の切り換えで
双子で神経衰弱とは、スケールが大きいウルトラクイズならではのクイズ。早押しクイズと神経衰弱を組み合わせてありますので、どちらかがおろそかになりそうで、なかなかたいへんです。
これのコツは頭の切り換えをすること。早押しのときはクイズに専念しいざ双子を指名するときは自分の番でなくても双子をよく見ること。この切り換えのうまくいかない人は、前半は双子を覚えることに専念し、後半双子が一通り登場したら、クイズで攻める方法もあります。 双子の覚え方ですが、連想記憶法というのがありますが、例えば3番の女の子が青い服を着ていたら「青い3脈女の子」。7番が黒人の子なら「7つの子はカラス」とか、数字と特徴をゴロ合わせで覚えてみるのも一考かもしれません。野球に詳しいなら、背番号から連想するのもいいでしょう。原と篠塚が一緒というように。
■珍方式、大声クイズに念力クイズ
大声クイズや念力クイズは、早押しだけれどボタンを使わない珍方式のクイズ。大声クイズは音に反応するセンサーを利用しており、念力クイズはリラックスしたときに脳から出るα波を検出する装置を使っているそうです。いずれも人より早く反応を感知すればウルトラハットが上がります。
大声クイズのテクはマイクに近づいて怒鳴ること。そして怒鳴るタイミングは、ボタンの早押しよりも早めに怒鳴ること。センサーが感知してハットが上がるまで福留さんは問題を読みあげるからです。 次に、念力クイズは問題を聞いたら、一度問題を忘れ無我の境地に入るのです。そしてハットが立ち上がったら再び問題を思い出し答えるのです。
■現地での過ごし方
ここでちょっと話題をかえて、現地での生活に触れてみましょう。クイズと移動の明け暮れとはいえど、人間なのだからたまには気分をかえないとクイズにも影響してしまいます。どうリラックスするかも必勝法の一つなのです。
グァム・ハワイでは人数も多いしスタッフも仕事のペースに乗りきれない時でもあり、多少のゆとりをとってあります。昼はウィンドサーフィン、夜はディスコを楽しむくらいの時間はありますが、とにかく撮影第一ですから、個人的な勝手な行動はなるべく慎むよう言われ、個人で行く海外旅行とはけじめをつけるべきでしょう。食事もこのころは団体扱いで、時間を決められ一律同じものを食べることが多いですね。グァムからハワイ、ハワイから本土へは時差の影響も大きいので、無理をせず食事や睡眠などに注意して、身体をアメリカに慣らしましょう。体調を整えておくのが勝利への第一歩です。
本土に上陸したら、半分ごほうびの意味も込めて丸一日自由な日が設けられる場合が多いです。ロスに上陸したらディズニーランドへバスを仕立てて連れて行ってくれます。
内陸部へ移ったら、いままであれほどいた日本人の姿がめっきり減るのに気がつきます。挑戦者の人数も減って互いに気心を知るようになり、スタッフの名前や役割もわかるようになります。確かにクイズをしているときは敵同士ですが、同じ目的に向かう「戦友」でもあるのです。こういう機会は人生の中でめったにありませんから、打ち解けて会話をし友人になるよう努力すべきでしょう。
人数が減ると食事などもこちらの希望を聞いてもらえるようになります。今日はステーキ、次はスペイン料理というように楽しみましょう。逆に時間の制限がきつくなるので、観光らしいことは減ってきます。ホテルのまわりをうろついたり、ショッピングをしたりで過ごすようになります。でもクイズ会場がめったに行けない名所ですので、そこへ行けるだけでも幸せなんですよ。
でも悲しいのは昨日まで一緒だった友が次々にいなくなること。クイズが終わったあとの別れが一番つらいのですが、自分たちの宿命と割り切って、日本での再会を楽しみにしましょう。郷心がつくと負けます。
■通過クイズは勝負をかける
ニューヨーク目前の準優勝地では通過クイズです。3ポイントとればお立ち台に行き特別のクイズを。これに正解するとニューヨークですが、残された者も阻止するべく早押しボタンに向かいます。
まず自分がお立ち台に立ったなら、勝負をかけるべきです。仮にできなければ普通の解答席に戻って、0点から再びクイズを始めなければなりません。せっかくお立ち台へ立ったのだから全神経を問題に傾けます。福留さんもあなたに向かって問題を読んでくれますから、その分心強いはずです。特に問題のキャンセルが許されないルールの場合は、答えなくても間違っても0点ですから、わからなくてもボタンを押し、何かを口走ります。それが万一当たることだってあるのですから。
次に敵がお立ち台にたったのなら、席が残っているならともかく、その1人で勝負が終わりになるならば絶対に阻止するべきです。問題の途中でもボタンを押しなにか答えます。間違ったらいままで蓄積したポイントが減りますが、ニューヨークへ行けるか行けないかの瀬戸際です。相手が正解したら終わりなのです。あなたがマイナス点になってもどんどん攻めるべきです。
■ニューヨーク決勝戦
憧れの決勝地、ニューヨークへやってきました。決戦前夜はなるべく早く寝るようにしましょう。遅くまで問題集に向かっても、ニューヨークは神の力を借りなければ優勝できません。静かに祈りを捧げ、長い旅の疲れを癒し、最後の英気を養うことです。
クイズ会場へ着いたら、スタッフはなにも言わずただカメラが回っているだけです。決戦を目前とした緊張感、挑戦者の素顔を写したいからです。クイズボックスに座ると、カメラも福留さんもいつも以上に大きく見えるでしょう。福留さんもわれわれが大きく見えるはずです。福留さんも今まで以上に改まった呼び掛けをしてくれます。それが緊張感を増します。でも決戦は多少緊張感があったほうがいいのです。緊張感にうまく引っ張られてください。
ルールは10ポイント先取の早押しクイズ。小手先の必勝法などありません。自分の今まで持っている力、根性、愛、精神力、人生。すべてを出し切らないと優勝はありません。あるのは問題だけ、問題にくらいついてください。点差が開いてもギブアップはできません。逆転の可能性はあるのです。その可能性とはあなたがあなた以上の力を出したとき、神があなたに宿るくらいに必死になってぶつかったときです。そして優勝の喜びは例えようがないはずです。
■賞品授与は最後の仕事
決勝戦が終わったら、一部のスタッフは帰国の途につきます。敗者も同じです。でもあなたは賞品をいただきに、もう一度どこかへ旅立たなくてはなりません。賞品なんてどうせたいしたことないよ、ウルトラクイズファンのあなたはもうよく御存知のはずです。でも、これはあなただけに許された最後の幸せな仕事です。うんと、楽しんでください。
さあ、あとは帰国してゆっくり休むだけですよ。
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