アメリカ横断ウルトラクイズ
クイズ王の本

歴代クイズ王が語るウルトラクイズ必勝法
「知力・体力・時の運」次のクイズ王はあなた!かも、しれない?

クイズ王の会/篇
©北川宣浩・森田敬和 1987
ゲートウェイブリッジ

2人で誓った世紀の対決……第8回/石橋史行(3)

新趣向のクイズで被害甚大

 第8回では新趣向やおもしろ企画のクイズがたくさん行われました。スコーバレーでの大声クイズも初登場のクイズの一つ。うっかりものの僕は大声のセリフを口癖の「忘れた!」にさせられてしまい、弱りました。帰りのバスには、クイズのゲストとなった笑いっぱなし長時間記録の2人が乗り込んできて、大騒ぎになっておもしろかった。

 フェニックスのバラマキクイズのあとはラピッドシティに。ここはさびしい街なのでびっくりしました。近くにある4人の大統領の顔が掘られているラッシュモア山で、ご先祖様リレークイズを行いました。ジェロニモ酋長とベーブ・ルースの子孫を当て、うまく抜けられましたが、はては孔子の子孫が出るにいたっては、よくも見つけてきた、本当かい!?とも思いました。ここでは宍戸君が大苦戦。慶応大学の落合篤也君との一騎打ちになってしまい、結局宍戸君の辛勝だったのですが、2人の涙に全員もらい泣き。重苦しいバンザイになりました。

 ダコタからインディアナポリスへ。今ではすっかりおなじみになったジョギングクイズになりました。体格に自信のある僕が自信のないのは走ること。こういう時は作戦で勝たなくてはなりません。3問先取でしたので一気に勝負を決めようとピッチをあげ、走り疲れないうちに一抜けすることができました。

 次のマイアミで行われたクイズは、誤答すると海に入って貝を拾ってくる形式でした。でも、普通の服でクイズ会場の海辺に行ったから、ズボンや靴はビショビショ。スタッフは、必死になって戦っていると見せる演出上、ズボンや靴をはいたまま海に飛び込ませてるんでしょうがね。水着を持ってこさせてるんだから、水着で来いと言えばいいのに。

 このマイアミあたりが、みんなの疲労のピークでもあり、ホテルで同室だった滋賀県出身の学生高根恵君は、スーツのズボンをはいたままベッドで寝てしまいました。彼はいっちょうらのジーンズがビショビショになって干していたため、ニューヨーク決戦用に残しておいたスーツのズボンをはいていたのでした。それで、シワになるので起こしてあげようとゆすったのですが、グッスリ寝込んで全然起きませんでした。そういえば今になって思えば、高根君はひょうきん族に出てくるMr.オクレさんにそっくりだなー。スーツのズボンをはいて寝ている姿は、貧乏チャンのイメージにピッタリ。

 マイアミの次はアメリカを離れてバハマへ。スタッフからバハマは最高だぞと聞かされていましたが、まさにカリブ海の楽園という形容詞のとおり素晴らしいところでした。ウォータースポーツはなんでもできる、それでいてハワイのように俗化していない。さらにギャンブル場もある。僕はまだ独身ですけど、新婚旅行はぜひバハマへ行こうと思っていますよ。一緒に行ってくださる方はいませんか……。バハマのタクシーの運転手がやけに調子がいいので、「我々は日本の有名な俳優である」とからかったら、すっかり信じられてしまいました。今でも僕が行けば「ハロー アクター!」と愛想のいいタクシーが1台あるはずです。

 透明度世界一と言われているバハマの海は本当に澄んでおり、きれいなサカナが泳いでいてとてもいい気持ち。でも、潜ってクイズをするのにはびっくりしました。潜水帽をかぶっているため福留さんの声しか聞こえず、誰がどう答えているか全然わからないのは弱りました。それにクイズに間違うと、潜水帽の中の空気が30秒間止められるのも不気味なもの。しかも、バカげたことにスーツケースも海の中に持ってこさせたのですよ、スタッフは。ウルトラクイズは旅行をしながらクイズをしていることを強く印象づけるために、いつもスーツケースをクイズ会場に持ってこさせています。このときは船の上で中味を出してくれと言われ、意味がわからないまま中の服などをビニール袋に入れ換えましたが、まさか海に潜るとはね。そしてスーツケースの中に重しを詰めて海の中へ入れさせられました。海につけたスーツケースがその後どうなるかわかるでしょ。メタメタの使用不能となってしまいました。

 

 

 

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