アメリカ横断ウルトラクイズ
クイズ王の本

歴代クイズ王が語るウルトラクイズ必勝法
「知力・体力・時の運」次のクイズ王はあなた!かも、しれない?

クイズ王の会/篇
©北川宣浩・森田敬和 1987
アーチーズ国立公園

勝つと誓って出たクイズ………第5回/真木法男(4)

なんとか生き残ってきて

 ヒューストンからメンフィスへ、なんとか生き残っています。メンフィスはエルビス・プレスリーの故郷で、彼にちなんだ問題が出ました。そこで世代のギャップが出たのでしょう、若い道蔦君と落合君が落ちてしまったのです。内心ホッとしました。残る強敵は杉山さんだけ。あとの2人、佐藤初江さんと安川寛治さんはクイズの経験がありません。

 準決勝の早押し通過クイズは、ノックスビル郊外の、緑豊かな草原で行われました。実は、僕としてはここで一抜けして、ツアーのマドンナ的存在だった佐藤さんとニューヨークへ行きたいなー、と思っていたのです。でも都合のいいことを考えると苦戦するようで、最初に抜けたのは杉山さんでした。しかも、佐藤さんが通過席へ行ったのにそれを僕が阻止したり、あるいは僕の通過クイズを佐藤さんに阻止されたりの、悲しい闘いになってしまいました。

かつてのクイズ仲間と決勝戦

 結局、僕が勝ち抜き、ニューヨークでは杉山さんとの対決になりました。杉山さんとは以前クイズグランプリでヨーロッパ旅行を共にした仲。お互いクイズのレベルも気心もよくわかっていました。

 決勝戦はネクタイを締めて臨みますが、当時学生の僕はネクタイの締め方を知らず、サラリーマンの杉山さんに結んでもらいました。

 いよいよ決勝戦。てのひらに「弱気になるな、男の子勝負!」と書いて、自分を暗示にかけました。もう最後の最後です。執念を出しました。杉山さんも答えてきますが、なんかボッとしてるようで、今一つ調子が出ないようでした。

 そして、今までのドジが信じられないような力が沸いてきて実力発揮、優勝してしまったのです。

 賞品は石油の採掘権。おかげで大金持になり、僕の油田から出たガソリンでベンツを動かしている身分です……。と、ご報告できたらいいのですが、実はまだ1セントももらってないのです。つまり、石油が出るかどうか、まだわかってないんです。現在ウルトラクイズ審査委員長をしていらっしゃる白井さんも、このとき権利を一つ買われたそうですが、こうなったらどっちが先に金持ちになるか、勝負でしょう。

 何年かたった今、再びあのコースを旅してみたくなりました。青春をぶつけたウルトラクイズをもう一度体験してみたい。そう思うようになっています。いろいろなクイズ番組に出ましたが、ウルトラクイズほど僕の心に残っている番組はないですから。

 

 

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